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 歩いて行くとそのうち、恐る恐る慎重に進むことに意味はないと知れた。どうせ目は見えないのだし、すぐ後ろには神官も控えている。何よりそんなことをするよりは、じっと耳を澄ませてみる方が、よほど役に立つと気づいたのだ。
 辺りは無音だったが、時たま吹いてくる風の音が、アルトに何か知らせてくれるようだった。勿論それははっきりとした言語ではなかったのだが、アルトにはなにがしかの確実なものが見えていた。
(風の謡第12話)

このシーンを書くために、私は一週間、暗くなった駅からの帰り道は必ず目を閉じて歩いてました(笑
勿論、人通りがほとんどないまっすぐな道だけですけどね!!時間にして大体、一回三分くらい。
ほら、暗ければうっかり誰かとすれ違っちゃっても、そんなに不審じゃないかもですし(不審だよ
でも、意外とどうにかなるものです。
初めは確かに足下がふらついて、コンクリートの道なのに、ちょっとした出っ張りが気になって仕方がないんです。しばらく歩いてふと目を開けてみると、いつの間にやら曲がっていたらしく、目の前に壁があったりとか。流石に不審すぎると思って手探りは出来なかったので、実際に電柱にぶつかりかけたことも一度ありました。が。
三日目ともなると目を開けているときと同じ速度で、いやもしかすると、それよりも本質的にまっすぐに進めるようになりました。
少年漫画なんかでたまに、盲目の戦士とかっていますよね。確かに、目に頼らない生活って、凄く良い訓練になるのかも。

ちなみにこれらのウラガーノでの体験は、意外とアルトのその後に影響を及ぼしたりすることになります。
それについては、またいずれ~。
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(C)制作手帳 / ブログ管理者 里見 透
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